フロアシステム
フロアシステムとは、マンションの住戸と廊下の組み合わせ方のことで、玄関から各住戸までのアクセス方法とも同じ意味になります。
前のページで見たように、建物形状は中高層マンションでは片廊下型が普通で、超高層ではタワー型になります。
フロアシステムとして見ると、片廊下型は垂直動線と、長い水平動線が組み合わさっているので水平型になります。
片廊下型には各階片廊下とスキップフロアの2種類があります。
タワー型では長い垂直動線と短い水平動線が組み合わさっているので垂直型になります。
各階片廊下型
中高層マンションで最も多用されるフロアシステムは各階片廊下型と言われるものです。


玄関からエレベーターか階段で各階に到着して、廊下を歩いて各住戸に到着するシステムです。基本的に全階とも同じように片側廊下があり、廊下に面して各住戸の玄関があります。
このタイプではフロアプランが全階同じものになるので、工事が効率が良く行えてコストが少なくて済むメリットがあります。
その反面で、片廊下タイプでは共用部分である廊下に面して玄関があるために、玄関の扉を開けると廊下からリビングまで視線が通ってしまう欠点があります。また、居室の窓が廊下に面しているためにプライバシーの点では問題があります。
また、片廊下型ではバルコニーは片面にしか作ることができません。
ただし、端部住戸では端にあたる壁面にバルコニーを作れるので、2面バルコニー、3面バルコニーも可能となります。
スキップフロア型
片廊下型の欠点を改善した方式にスキップフロア型があります。

スキップフロア型は、普通は3階おきに横移動のための廊下があります。
玄関からエレベーターに乗り、エレベーター停止階の例えば4階で降りて、4階の人は廊下を歩き、3階と5階の人は階段で1階分降りるか登って家に向かいます。
この方式では垂直動線はエレベーターがメインで、階段室が垂直サブ動線となるので、住戸の玄関は廊下側ではなく階段室に面することになり、中入り型の住戸となります。
その結果、片廊下では玄関から住戸の奥まで見通されたのが、玄関で視線が止まるのでプライバシーが守られるようになります。
また、廊下のない階は両面バルコニーが作れ、個室と廊下の干渉はなくなります。
ただ、3階おきの廊下階は片廊下型と同じ形のため、個室のプライバシーには問題が残ります。しかし、階段で上下するため、廊下の通行量が片廊下式の場合よりも少なくなる箇所ができます。
これらのメリットがある反面、階段室が2戸ごとに1本必要となるので片廊下型と比べると工事コストが高くなる傾向があります。
また、建築基準法の改正で、吹きさらしの片廊下部分は容積率の対象となる延べ床面積に算入しないこととなったに対して、階段室はほとんどが容積率に算入されるので片廊下式と比べると販売面積が減ることになり、有効率(販売床面積と延べ床面積の割合)が下がることになりました。
このため、最近のマンションでは片廊下が優勢で、スキップフロアはほとんど見られません。
しかし、スキップフロアでは両面バルコニーの住戸がたくさんできることと、北側個室のプライバシーが守られるなどのメリットがあるので、値段が折り合う物件があれば買い得でしょう。中古マンションではこのタイプで人気のある物件が見受けられます。
コア型
超高層マンションでは、垂直動線がメインとなります。その主役はエレベーターですが超高層マンションのエレベーターは中高層マンションにはない特徴があります。
それは、エレベーターのうち最低1台は非常用エレベーターになっていることです。これは緊急時には消防隊が専用で使うこととなっていて、エレベーターロビーは他の部分からシャットアウトできるような構造で排煙用の吸気口が必ず設置されています。
超高層建物ではフロアの中央部分にコアと呼ばれる、壁で取り囲むように作られる四角形の部分が作られます。
コアにはエレベーター、階段、配管スペースが集中しています。コア型のフロアプランは超高層建物の特徴と言えます。エレベーターは高層用と低層用に分かれることもありますが基本的に各階停止です。
そして各階にはコアを取り巻くような廊下か、エレベーターホールがあり、各住戸は廊下かホールに面して玄関があります。
コアの位置がフロアの中心に配置されている場合は北向きの住戸が発生します。日本では北向きの住宅は人気がないので北向き住戸を作るのはデベロッパーには賭けに近いものです。
北向き住戸ができないようにするには、コアを北に寄せて作るのが普通の解決法です。
コア型では、ワンフロア当たりの住戸数は少なめで、6戸から10戸程度が普通です。そのため、超高層マンションではエレベーターの待ち時間が長目となる傾向があります
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